集団学習
判別問題とは,情報(入力)が与えられたときに,その情報を基に判断(出力)をさせるような問題です.最初に,入出力関係を判別機に知識として与えて(学習)おくことで,その知識を基に,未知の入力に対する出力(予測)を行うことができるようになります.
このような判別機を実際に作るときには,精度が良くなければなりません.間違って判別するような判別機では困るからです.しかし,精度の良い判別機を作ることは一般に難しく,複雑になってしまいます.また,計算時間も多くかかってしまいます.
そこで,そこそこ良い正答率を出す判別機をいくつも用意して,それらの多数決により最終的な予測を行います.これが,ブースティングと呼ばれるアルゴリズムの基本的な考え方です.つまり,「三人寄れば文殊の知恵」を実践させているのです.
例えば,試験問題を解くときに,95点や100点を取れるように勉強するのは大変ですが,70点や80点くらいなら何とかなると思われます.この7~80点の者同士が集まって話し合いをすることで,90点以上の点数を望めるのではないだろうか,ということです.
ただ,課題もあります.船頭多くして船山へ上る,というように,多数決に参加する判別機が多くなると適切な判別ができなくなってしまい,精度が落ちてきてしまいます(過学習).本研究では,このような課題を克服しつつ,より良い判別機を作ることを目標としています.
